スポーツ映画の魅力について

先日、私もメンバーの一人として参加させていただいている映画愛好家の集まりがあり、それを通して「スポーツと映画」について考える機会を得ました。

映画の題材として取り上げられる、さまざまなジャンルの中で〈スポーツ分野〉はどう位置付けられているのだろうか、というテーマです。

日ごろ、ああ、あの映画、良かったねェ、などと比較的軽く、一時的な感動とともに過ぎ去っていくスポーツ映画ですが、改めて考え直してみると、意外に? 結構ズシリと重く、鮮明に記憶に残していることに気付きます。

例えば1990年公開の野球映画「フィールド・オブ・ドリームス」(米=フィル・アルデン・ロビンソン監督)などは、私の記憶に色濃く残っています。

広大なトウモロコシ畑をつぶして野球場をつくったレイ“ケビン・コスナー”キンセラは、ある日、どこからともなくそこに続々と集結して野球を始める、かつての大リーガーたちの姿を見る、という、いかにもアメリカふうの夢物語でした。

感動とともにグイグイと惹(ひ)き込まれたのが、2009年製作・公開の「インビクタス(Invictus)/負けざる者たち」(米=クリント・イーストウッド監督)でした。

舞台は1994年の南アフリカ共和国。反アパルトヘイト(人種隔離政策)の反体制活動家として長年、投獄されていたネルソン・マンデラ氏(2013年死去)が、その年、解放され、黒人初の大統領となります。

が、依然として白人と黒人の間がギクシャクする国情を1995年、自国開催となったラグビーの第3回ワールドカップの場を利用し、南ア代表「スプリングボクス」の快進撃を力として、国を無差別の熱狂の渦に巻き込んでいく、というストーリーです。

勇気をもらう“めげない”姿

「スプリングボクス」が勝ち続けます。それを架け橋に次第に白人と黒人との間に応援を通した熱い共通項が生まれていきます。そして・・・ニュージーランド代表「オールブラックス」との決勝戦前、両国国歌の斉唱のシーンで南アの白人と黒人は、やっと国歌の元に気持ちを一体化させることが出来るのでした。思わずジーン・・・ウルウルのシーン。そしてマンデラ大統領を演じるモーガン・フリーマンの名演・・・。

スポーツを題材とした映画は、こうした社会性、政治性を抱き合わせ、それを超えたスポーツの力を描く秀作が多く、たかがスポーツ、されどスポーツ、の重さをそこに見せつけます。

そうしたこととともにちょっと、不思議にも思えるのが、スポーツのジャンルの中でも「ボクシングもの」が映画にあっては多く取り上げられていることです。

米スポーツ情報サイト「ブリーチャー・レポート(Bleacher Report)」が発表したスポーツ映画ランキングによると、名作の「レイジング・ブル」(1980年米=マーティン・スコセッシ監督)を初め、全6作シリーズ化された「ロッキー」(1976年米=ジョン・G・アビルドセン監督)「モハメド・アリ~かけがえのない日々」(1977年米=レオン・ギャスト監督)また女子ボクサーを扱った「ミリオンダラー・ベイビー」(2004年米=クリント・イーストウッド監督)などが軒並み、上位にランクされています。

また、英国を代表する映画雑誌「エンパイア」が発表したスポーツ映画のランキングでも、ボクシング映画の「レイジング・ブル」「ロッキー」「ザ・ファイター」(2011年米=デビッド・O・ラッセル監督)「モハメド・アリ~かけがえのない日々」などが上位にランクされています。

ボクシング映画は「ロッキー」に代表される娯楽もの、一方「レイジング・ブル」や「傷だらけの栄光」(1956年米=ロバート・ワイズ監督)に代表される実在のボクサーを描いた実話もの、に分けられますが、概してストーリーは、社会の底辺に生き、明日を持つすべもない若者が、降りかかる困難を克服して、コブシ一つでドリームを成し遂げる、という〈個の戦い〉を描いています。

映画はやはり、そうした〈夢に懸ける一途な人生〉~涙と感動~が好きなのかもしれませんね。

まあ、しかし、私たちも、困難に直面しても少しでも前に進もうとするボクサーたちの“めげない”姿を映画の中に観ると(実際のボクサーたちも同様ですが)共感を覚え、勇気をもらいます。

スポーツ映画、ボクシング映画は、そういうところに魅力があるのかもしれませんね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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