「伊達直人」と「あしながおじさん」

「土用の丑(うし)の日」となった7月24日、スーパーマーケットの惣菜・弁当類売り場には、ズラリとウナギが並びました。

昨今は、ウナギの漁獲高の減少などによる価格の高騰で、なかなか手が出しにくくなっており、日本人のウナギ好きに影響を及ぼしています。

が、今年は、昨年の稚魚の好漁で価格が下がっている、と伝えられており、この日の棚には、お手ごろ価格のうな重、かば焼きが並び、結構さばけているようにも見えました。

そんな折、タイミングよく「ランドセル」を「ウナギ」に替えてプレゼントに及んだのが、漫画「タイガーマスク」の主人公「伊達直人」でした。

新聞報道によると、土用の丑の日の前日7月23日、石川県小松市の福祉施設「小松こども医療センター」を「伊達直人」と名乗る男性が訪問、鹿児島産のウナギのかば焼き28匹分を贈った、とのことでした。

男性は、食品の寄贈なので・・・ということで事前に本名などの個人情報を施設側に明かしたうえで「伊達直人からのプレゼント」としたそうですが、障害のある子供たち入所者にとっては、暑い夏を乗り切る、うれしいスタミナ源になったことでしょう。

一方、7月24日には、山口県庁に「児童養護施設などの子供に送ってほしい」とランドセル8個が配達された、と報じられています。

今なお続く、善意の寄付行為-。

今度は「ウナギのかば焼き」プレゼント

「伊達直人」など架空のヒーロー名で養護施設などにプレゼントする「タイガーマスク運動」は、2010年のクリスマス、群馬・前橋市の児童相談所前に「伊達直人」を名乗る送り主から10個のランドセルが置かれていたのに端を発しています。

これを機に、この運動は次第に全国規模に拡大し、ランドセル、文房具、お菓子類などが「伊達直人」や「矢吹丈」「桃太郎」さらには「肝っ玉かあさん」などの匿名で寄付が相次ぎました。

この種の善意は、受け止め方が難しく、ある種のブームのように広がった一時期は、受け取る側にとって、ありがたい一方、ありがた迷惑の部分、例えばすぐに必要としない品物、もあり、困惑も入り混じった、と伝えられたものでした。

「土用の丑の日」のウナギに関しては、以前、茨城県内で、スーパーの棚に並んだうな重を見て我慢が出来なくなり、万引きに及んだという出来ごともあったほどです。

今回の「伊達直人」によるウナギのかば焼きプレゼントは、施設側にとっては、困惑抜きに本当に嬉しかったことだろうなァ、と思います。

「タイガーマスク運動」でふと、思い出すのが、児童文学作品「あしながおじさん」(1912年=米作家ジーン・ウェブスター著)でしょうか。

孤児院で育った身寄りのない少女が、その才能を一人の資産家に見込まれ、進学のための援助を受ける、という物語です。

姿を見せない一人の資産家は、彼女から「あしながおじさん」と呼ばれ、手紙を通して交流を図り、最後は姿を見せてハッピーエンドとなります。

匿名を貫く「伊達直人」らによる日本人のボランティア活動が、変に曲解されず、いつまでも温かい「あしながおじさん」であることを願うばかりですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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