驚くべき“スーパー高校生”の勢い

陸上の世界選手権(中国・北京)を連日、中継するテレビ(TBS)を通して観ていて、日本勢に関しては〈ウ~ン、世界との差を感じるなァ〉というのが率直な感想でした。

トラックでの中・長距離レースで置き去りにされてしまう惨敗、特に周回遅れなどは、それでも“完走”できた健闘を称えなくてはいけないのでしょうが、かつては輝いた日本人の耐久力が、今全盛の圧倒的なスピードの前に踏みにじられているようで、つい〈オイオイ、頼むよ〉とつぶやいてしまいます。

日本選手権での十何連覇などを引っさげて世界の舞台に進出しても、持てる力を出せずに予選1レースのみで退却となると、その勲章は所詮、新旧交代がはかどらない日本だけのもの、おヤマの大将はもう、いい加減にしてくれよ! と、厳しい見方もせざるを得ません。

そんな悲観的な日々が続いていた中、テレビの前で思わず、やってくれるね~! と拍手をしてしまったレースが、第4日(8月25日)に行われた男子200メートル予選でした。

第一人者のジャスティン・ガトリン(米国)のいる第4組に登場した高校2年生のサニブラウン・ハキーム(16=東京・城西高)です。

大外の第9レーンでスタートを待つ、この16歳を見て〈あれれっ〉と思ったのは、初めて世界選手権の大舞台に立ちながら、しかも、左後方の第3レーンに世界ランク1位のガトリンを見ながら、緊張も気負いもまったく感じられない自然体の姿でした。

結果より“収穫多き”レースを・・・

スタート! 駆け引きより、とにかく突っ走るしかない! の前への走り。ゴール前の混戦で粘り、トップのガトリンに続いて2位でゴールラインを駆け抜けました。凄い! 準決勝進出の20秒35-。

1999年3月6日生まれ。父親がガーナ人で日本人の母親は、短距離で高校総体に出場経験を持っているそうです。平成世代の物おじしない快走に接して頭に浮かんだのは、先の甲子園(全国高校野球選手権)で活躍した清宮幸太郎(早実1年)であり、オコエ瑠偉(関東第一3年)であり、彼らと同一の感覚でした。

つまり、スーパー高校生と呼ばれる面々の“勢い”の凄さです。

例えばプロゴルフの世界では、それがメンタルゲームゆえに、勝てるようになるには経験が必要であり、心技体の充実は30代後半から、というのが、かつては当たり前でした。

ところが今、特に女子の世界では、日本アマ選手権のビッグタイトルをスーパー中学生(現プロの宮里美香が中3の14歳で優勝したことなど・・・)が獲得、プロ入り後も即戦力の力を発揮して、トーナメント関係者の口からは、以前の常識は今はない、とさえ聞かれます。

サニブラウンは、今年6月の日本選手権(新潟)で100&200メートルで2位。同7月の世界ユース選手権(コロンビア)では100(10秒28)&200メートル(20秒34)で優勝、2冠を達成しています。

ガトリンが「16歳で準決勝に進出するなんて信じられない」と驚嘆したサニブラウンの勢い。

準決勝は8月26日(日本時間午後9時30分)に行われる予定ですが、再びガトリンと同組のレースでサニブラウンがどんな走りを見せることでしょうか。

結果はどうあれ、16歳の旺盛な吸収力で次につながるものを得てほしいと思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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