“霊長類最強”の女戦士に敬意!

ラスベガス(米ネバダ州)で行われているレスリングの「世界選手権」で、第3日(9月9日)に登場した女子53キロ級の吉田沙保里(32=ALSOK)が同大会13連覇を達成、五輪3連覇と合わせて世界16連覇という偉業を成し遂げました。

2002年の世界選手権優勝を皮切りに途中、04年アテネ、08年北京、12年ロンドンの五輪3連覇をはさんでの世界16連覇です。

また、2001年の全日本女子選手権56キロ級準決勝で敗れて以降、途中、08年W杯(中国・太源)と12年W杯(日本・東京)での団体戦で2敗はあったものの、個人戦で200連勝を達成。文字通り“霊長類最強”を改めて世界にアピールしました。

吉田は3歳から、元全日本覇者の父・栄勝さん(昨年3月に他界)の指導でレスリングを初め、栄勝さん直伝の“伝家の宝刀”高速タックルでめきめき頭角を現しました。

02年にアジア大会、世界選手権を初制覇し、20歳で世界女王の座を獲得していますが、私が常々“凄いな”と思うことは、ここから昨年までの14年間、55キロ級というウエートをずっと維持し続けていることです。

“自分との闘い”となる五輪4連覇

五輪のレスリング女子の階級制が変更され、55キロ級がなくなったことで吉田は、14年9月の世界選手権から、五輪で採用される53キロ級に転向していますが、加齢とともにウエートを減らすことが一般的には難しい中、それをものともしていないことは、日ごろの努力、節制が並大抵のことではない、ということなのでしょう。

さらに思うことは、吉田打倒! を目指す世界中の刺客に徹底研究されながら、なお勝つことができる凄さです。これも並大抵ではない日ごろの努力、練習によるものなのでしょう。

08年1月、119連勝を続けていた吉田は、中国・太源で行われた国別対抗戦(団体戦)「女子W杯」の1次リーグで無名のマルシー・バンデュセン(米国)にタックル返しでポイントを奪われ敗れました。

徹底して攻めまくりながら、相手のタックル返しに微妙なポイントを奪われるという敗戦。吉田が号泣して悔しがった連勝ストップの裏にバンデュセンの吉田研究があり、タックルが武器ならそれをどうして封じるかという工夫、頂点に立つ強者は常に打倒の標的にされ、研究し尽くされる、という過酷な勝負の世界が見え隠れしたものでした。

今回の世界選手権でも、ソフィア・マットソン(スウェーデン)と激突した決勝戦で、吉田は負けを覚悟したほどの苦戦を強いられています。その原因は、3年連続の決勝対決で吉田を知り尽くしたマットソンのタックルを封じる戦い方でした。

2-1の辛勝。大会の取材に当たったスポニチ本紙の担当記者は、吉田の「皆がタックルに入らせない方法、タックルにきたときのカウンターを研究していた」というコメントを伝え、追われる立場にある者の苦境を報じています。

頂点に立つ者は、刺客たちの研究以上のものを持ち合わせていないと勝つことが難しくなり、吉田も年々、楽な勝利は少なくなっていくのでしょう。

リオ五輪での五輪4連覇は、過酷な“自分との闘い”となるのでしょうが、偉業達成に向けて“頼みます!”とただただ、願うばかりです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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