“丸刈り”パフォーマンスに思うこと

〈(頭を)丸める〉=「剃髪(ていはつ)する」(広辞苑)

〈剃髪〉=「①髪を剃(そ)ること②仏門に入って髪を剃ること③江戸時代、女子に科した閏(じゅん)刑」(広辞苑)*閏刑とは主に姦通罪などに対して正刑に代えて科す刑罰。

日本レスリング協会・福田富昭会長(73)の、謝罪と反省の意を込めて髪の毛をすべて剃り落としたスキンヘッド姿が話題となりました。

レスリングの「世界選手権」(9月12日最終日=米ネバダ州ラスベガス)で、日本男子勢がグレコローマン、フリーの両スタイルともメダルなしの惨敗、この大会でリオ五輪の出場枠(5位以内)さえも獲得できなかったことに対する〈謝罪と反省〉だったそうです。

いわゆる“五分刈り”などの丸刈りなどでなく、徹底して毛髪を剃り落としてスキンヘッドとしたことに、ああ、福田会長も、やはりレスリング界に生きる人だなァ、とつくづく思いました。

振り返ってみれば、日本レスリング界の夜明けは、あの“剃るぞ!”から始まっています。

そうです。泣く子も黙る、恐怖の“八田イズム”ですね。

思い出す八田イズム-元祖“剃るぞ!”

長年、日本レスリング協会会長を務め、1964年(昭39)東京五輪の招致にも尽力、日本をレスリング王国に築き上げた“日本レスリング界の父”八田一郎氏(故人)は、選手たちを徹底してしごきまくり、今の時代にあっては恐らく“言語道断”と非難されるだろうスパルタ特訓で世界の一線級にのし上げたものでした。

伝説の“八田イズム”は、選手たちを動物園に出向かせ、ライオンやトラとにらめっこさせる、などという奇策もありました。度重なるにらめっこに、次第に選手たちの肝が据わり、眼力も鋭さを増し、その気迫にライオンやトラが後ずさりし始めたといいます。

“八田イズム”の代名詞は「剃るぞ!」だったでしょうか。負けた選手、特に逃げた選手には、問答無用に上も下も剃る! という厳罰を科して、選手たちに不屈の闘魂を植えつける指導を行っています。

まあ、それはそれとして、髪の毛や下の毛を含めて「剃髪」という行為には、なぜ謝罪や反省の意味が含まれるのでしょうか。

冒頭に記したように、剃髪には〈仏門に入って髪を剃る〉の意味があります。なぜ〈仏門に入って髪を剃るのか〉つまり、仏教では〈剃髪して己を戒め、悟りの境地へと進む〉わけで、転じて一般社会での謝罪や反省を込めた剃髪は、己を戒める、ということを意味するのでしょう。

ちょっと違和感がありましたが、髪の毛を刈った女性にAKB48の峯岸みなみがいたことを思い出します。恋愛禁止の規則がある中、週刊誌に熱愛疑惑を報じられ、その謝罪ということでした。

また、昨今、不祥事が目立つ議員の中で、大阪維新の会の山本景府議が、やはり自身の行為を反省して頭を丸めています。

謝罪や反省の意を込めた剃髪パフォーマンスも、やがて髪の毛は元通りに生え揃います。

そのときまでの我慢! などと一時的なものでなく、願わくば禊(みそぎ)の気持ちをずっと持ち続けていてほしいものですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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