凄い! 「GGG」の奥深い強さ

ボクシング・ファンの方々は、あの「GGG」のハイレベルな〈巧(うま)さ〉と〈強さ〉を目に焼きつけたことでしょうか。

10月17日(日本時間同18日)に米ニューヨーク州の「MSG(マジソン・スクエア・ガーデン)」で行われた「GGG(トリプルG)」ことプロボクシングWBA世界ミドル級スーパー王者(WBC世界同級暫定王者)ゲンナディ・ゴロフキン(33=カザフスタン)vsIBF世界同級王者デビッド・レミュー(26=カナダ)の注目の世界ミドル級王座統一戦です。(試合は10月18日午前11時からWOWOWが生中継

下馬評は、ゴロフキンの有利ながら、レミューのパワフルな攻撃力が要注意視され、カナダのタイソンの異名をとるレミューの一発が当たれば、ゴロフキンといえど倒れる、とスリリングな展開となるだろうことが予想されていました。

ここまでゴロフキンが、33勝(30KO)全勝で90・9%のKO率。レミューが、34勝(31KO)2敗で86・1%のKO率。KO必至の戦いにあってレミューが勝利するためには、スタートダッシュ、いきなりの殴り合いを仕掛けるだろう、ということも予想されていました。

凄いですねェ~。“格闘技の殿堂”MSGが用意した2万席が、即完売! という人気の中で始まった一戦。カギを握るレミューの出方に注目していましたが、先手を取ったのはゴロフキンでした。

グ~ンと伸びる感じの左ジャブです。左、また左。この感触で早くもゴロフキンが距離を把握し、先手を取られたレミューは、入れずに乱打戦に持ち込みたい気持ちがはぐらかされてしまいます。

身を引き締める五輪金メダリスト

面白いもの、というか、不思議なもの、です。距離を支配され、出鼻をくじかれたレミューは、その段階で後手後手を余儀なくされ、一方、ゴロフキンの、強い左を軸とした攻撃は、ますます冴え、次第に一方的の様相を呈していきます。

序盤を終えて、あれほど一発の効果を期待されたレミューは、持ち味を殺されて下がる場面が多くなってしまいました。

そして5回-。

前に出なくてはもう、先が見えなくなったレミューにゴロフキンは、ジャブ、ジャブ、と連打し、相手の大振りの右に合わせるように右アッパーから左をボディーに叩き込み、ダウンを奪ってしまいます。

その後、鼻血を出すなどしたレミューの傷のチェックが入り、あるいはレフェリー・ストップもあり得る状況となった矢先の8回、ゴロフキンが猛攻を仕掛け、ジャブの連打から左右ボディー、さらに容赦のない連打となったところでレフェリーがストップをかけ、ゴロフキンの8回1分32秒、TKO勝利、実に21連続KO勝利とともに王座の15連続KO防衛達成となりました。

世界タイトル戦の連続KO防衛記録は、WBCジュニアフェザー級(当時)王者だったウィルフレド・ゴメス(プエルトリコ)が、1977年7月の初防衛戦から19838年4月の王座返上まで、計17度の防衛戦をすべてKO、TKOで勝利し「17」となっていますが、この記録にゴロフキンが追いつき、抜き去るのも、時間の問題となったようです。

この難敵相手の防衛戦でゴロフキンに感じたことは、常に沈着冷静、一打一打に計算があり、相手の持ち味を殺し、良さを丁寧に削り落としていく奥深い凄さです。

敗れたレミューは、リング上でのインタビューにこう答えていました。

〈多くの戦い方を用意して試合に臨んだ。上手くいくときもあったが、多くを阻まれた〉

と-。

試合を中継するWOWOWの解説陣に加わった、WBC&WBO世界ミドル級5位の村田諒太(29=帝拳)は、ゴロフキンの〈打たれずに打つ〉安定感を指摘。11月21日(日本時間同22日)には、WBC世界ミドル級正規王者ミゲール・コット(プエルトリコ)vsサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)のWBC世界ミドル級タイトルマッチが行われ、この試合の勝者とゴロフキンの対戦が予測されるミドル級戦線の厳しさに身を引き締めていました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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