マンション暮らし考⑬

横浜市都筑区(神奈川県)のマンション傾斜問題に端を発して、では、マンションを購入する際は何を心得ればいいのか、マンションの健全性をどう見極めたらいいのか、などが取り沙汰されています。

家の購入という簡単に取り替えがきかない売買にあって、施行・販売する側、購入する側、双方の信頼性が薄れた、いかにも当世風の疑心暗鬼に包まれて、安心感がなく嫌ですね。

私の今のマンション暮らしは、2002年(平14)8月竣工の、5階建て計53戸の中規模・新築マンションを購入して始まり、約13年を経ています。

それまでの戸建て住宅暮らしからマンション暮らしへの移行は、振り返ってみると第1に立地の良さへの魅力、第2に購入前のモデルルーム見学で感じた住み心地のよさそうな部屋の雰囲気、もちろん、耐震性など構造面の見えない部分も気になりつつ、しかし、自らの目で確認する手だてもなく、よく作られたパンフレットに目を通して信用するしかなかったと思います。

購入する側の、こうした購入前のできる範囲の確認で大きなウエートを占めるのは、やはり〈施行・販売主への信用〉でしょう。

分譲で実績のある大手企業であれば、その企業名だけで半分以上くらいの安心が得られるのは、まさかそこが見えない部分で手抜きなどをするはずがないだろう、という信用です。

実際、私が今のマンションを購入するにあたり、最終的に決断したのは、建築関係に携わる友人が、ああ、あそこなら、と施工主への信頼を言葉にしたからでした。

「構造上の問題」が引き起こす不祥事

今回の不祥事は、下請け業者の「旭化成建材」が、建物の一番基礎的な部分である“くい打ち”の施行を手抜きしたことでマンションが傾いてしまったわけですが、原因追及で明らかにされた「マンション建設の流れ」の中、専門分野に多くの下請け業者が入っており、そこに工期の問題、経費の問題、などが絡んで手抜き→欠陥へと至る、いわゆる構造上の問題が指摘されています。

そうしたことが次第に明らかにされると、施工主の企業名がいかにビッグでも、もう、それだけでは信頼が得られず、今後、購入者は、何を基準にしたらいいのか、で迷ってしまうことでしょう。

私が住むマンションは、2013年に最初の大規模修繕を行いました。2011年3月11日の東日本大震災で異様な揺れに見舞われたものの、さまざまな点検の結果は、幸いにして大きな補修個所はなく、居住者もホッとひと息をつきながら今に至っています。

もっとも、日常生活において、あれっ? 網戸がスムーズに開かないぞ、家が歪んだのかな? とか、各部屋にゴルフボールを置くとコロコロと転がり始めたり、とか、何となく気になる部分は出てきています。

こうした、現状では、恐らく取るに足りない些細なことでも、そこが自分の住み家であり、これからもずっと住まなければならない生活の場であれば、放っておいていいのかな? という気持ちが起きてくるのは当然のことでしょう。

その意味で傾斜問題に揺れる当該マンションの居住者たちが抱える不安は、並大抵のものではないと思います。

私は、東日本大震災の年、そこに住む居住者(区分所有者)によって構成される管理組合の、輪番制による役員(5人=理事4、監事1)の“お役目”が回ってきて、なぜか、新役員間の互選によって決められる「理事長」の大役を仰せつかってしまいました。

そこで学んだことは、集合住宅の居住者は、すべてに違った生活スタイルがあり、例えば50人なら50人が、一人一人、違った意見を持っている、ということでした。

マンション全体の意見を整えるという作業の難しさがそこにあります。

マンションなど住宅を施行・販売する側が、倫理として持つべき「居住者の安全・安心」が損なわれてしまうと、すべてが根底から崩れてしまい、収拾がつかなくなってしまいます。

どう時代が変わろうと「誠意ある対処」に変わりはないのですから・・・。

(注=「マンション暮らし考」は「日常」のカテゴリに収めてあります)
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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