“聖地”に沈んだボンバーレフト!

9回開始早々、相手の右ストレートを浴びました。続く連打でダウン!

ダウンを喫したとき、カウントは「10」まであるのですから、普通は「8」くらいまで休むものです。・・・が、三浦はすぐ、足をもつれさせながら必死に立ち、ファイティングポーズで続行をアピールします。

その姿に、いつもの三浦ではない〈ラスベガスの三浦〉を感じました。つまり“気負った三浦”です。

本当に残念な試合でしたね。11月21日(日本時間同22日)に米ネバダ州ラスベガスの「マンダレイベイ・ホテル&カジノ」で開催されたプロボクシングWBC世界スーパーフェザー級タイトルマッチです。(試合は同日午前11時からWOWOWが生中継)

王者の三浦隆司(31=帝拳)は、中盤まで採点をリードしながら9回、挑戦者の同級1位フランシスコ・バルガス(30=メキシコ)の、捨て身の反撃に1分31秒、無念のTKO負け、5度目の防衛に失敗しました。

ちなみに8回までの採点は-。2-0(76-75、77-74、75-75)で三浦の優勢でした。

初の“聖地”進出となった三浦のラスベガスでの試合です。

気負いがあるだろうなァ、と案じながらも、2013年4月8日の戴冠後、メキシコで行われた初防衛戦(2013年8月17日)で、完全アウェーの中、壮絶な打撃戦で同級1位の挑戦者セルヒオ・トンプソン(メキシコ)を判定に下した三浦とあって、この大舞台でも、あの〈肉を切らせて骨を断つ〉戦いを見せてくれるだろう、と思っていました。

魔の9回! 挑戦者の捨て身の反撃に・・・

試合を振り返ってみましょう。

初回、いきなり三浦がピンチに見舞われます。

右のリードで前進しようとした瞬間、バルガスの右ロングフックが、まともに三浦の顔に炸裂! グラリと体勢を崩しながらも倒れず、何とか残り1分半をしのぎました。

ダメージが回復し始めた3回から三浦が徐々に“らしさ”を取り戻します。接近→ボディーから顔へと上下の打ち分け。そして4回、右から左の“ボンバー”ストレートを顔に叩き込み、ダウンを奪いました。

観る側にとっては、やっとこのあたりで“安心感”が生まれます。さあ、ここから! 後は倒すだけだな、と・・・。もっとも、狙いすぎて手数の少ないことは気になりましたが・・・。

展開は、まさにその通りで5回以降、三浦の左で右目下を腫らしたバルガスは痛々しい限りです。

そして8回、三浦の左攻勢でバルガスはKO寸前にまで追い込まれ、辛くもゴングに救われる形となり、この回を終えました。

しかし・・・本当にボクシングは終わってみなければ分からないものです。三浦の取材に当たったスポニチ本紙の担当記者は、8回を終えてバルガスの右目下の腫れをチェックした医師が「(傷口が広がれば)この回(9回)が最後」と告げたことを報じていました。

初回にグラつかされた三浦に王者の意地があれば、バルガスにも1位の指名挑戦者としての意地があったことでしょう。それが、後がない土壇場で右ストレートに込められて三浦の顔に叩きつけられたということでしょうか。

深いダメージを負い、クリンチで必死に逃れたかった三浦でしたが、連打を浴び、最後はレフェリーのストップにより、悔しい王座陥落となりました。

メーンイベントのビッグマッチ、WBC世界ミドル級前王者ミゲール・コット(プエルトリコ)vsサウル“カネロ”アルバレス(メキシコ)のWBC世界ミドル級タイトルマッチにより、会場の1万2000席は、即・完売の盛況となったようです。

そのラスベガスの観客は、セミファイナルの三浦の試合をどう観たことでしょうか。

私は、三浦のボクシングの原点である〈倒しにかかる〉という気迫の凄さにおいては、ダウンのないスマートなボクシングに終始したメーンの内容を上回っていたのではないか、と感じました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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