今年を「象徴する言葉」に思うこと

師走に入って恒例の風物詩「ユーキャン新語・流行語大賞」(「現代用語の基礎知識」選)の2015年年間大賞が決まりました。

12月1日、ノミネートされていた50語の中から選ばれ、発表されたもので、今年最も話題となった言葉は「トリプルスリー」「爆買い」の2語となりました。

「トリプルスリー」は、プロ野球の打撃部門でシーズンを通し①打率3割以上②30本塁打以上③30盗塁以上-の成績を同時に達成させることですが、今季はソフトバンクの柳田悠岐外野手とヤクルトの山田哲人内野手の2人が成し遂げ、東京都内で行われた表彰式で笑顔を見せていました。

もう一つの大賞「爆買い」は、中国人観光客が免税店に集団で押し寄せ、手当たり次第に商品を大量に購入するサマを指していますが、大国意識を持って国際的に幅を利かせ始めた中国の、側面を表す現象として、2015年の世相を表す現象として、妥当な選考だった、と言えるのではないでしょうか。

プロ野球からの大賞は、これまでに1996年の「メークドラマ」(長嶋茂雄監督=巨人)や1998年の「ハマの大魔神」(佐々木主浩投手=横浜)、翌1999年の「リベンジ」(松坂大輔投手=西武)、「雑草魂」(上原浩治投手=巨人)など数多く選考されていましたが、1999年以降、ナリを潜め、今年は6年ぶりの栄冠となりました。

政治色の強さも浮き彫りに・・・

もっとも、スポーツ界からノミネートされた3語の中には、ラグビーW杯で大活躍した五郎丸歩の「五郎丸ポーズ」「ルーティン」があり、これらの選択のほうが妥当だろう、という声を私の周辺でも多く聞きました。

ラグビー界は過去、新春恒例の大学選手権など空前の人気を誇った時代があり、早明戦の人気カードで「展開の早稲田」「前への明治」が覇権を争うときなど、スポーツ新聞各紙は1~3面の大展開でその激闘を報じたものでした。

が、不思議なもので、あれほどの激闘で大学選手権を制した大学ラグビーも、その後に続く、社会人相手の日本選手権では歯が立たず、大学覇者を一蹴する強さを見せた社会人ラグビーも、世界には歯が立たず、日本のラグビーは〈国内だけの井の中の蛙〉という、変な立ち位置にいたことは確かでした。

そういうことを考えれば、今回のW杯で世界の強豪と五分とも思える戦いを繰り広げ、世界を驚かせた桜のジャージは、プロ野球より今年を象徴するスポーツだったかもしれません。

五郎丸自身は、チームの結束が重要視されるラグビーにあって、個人に脚光が当たることに違和感を覚えており、本人が希望するように〈ジャパンウエー〉のほうが、良かったのかもしれません。

世の中の傾向を感じたのは、芸能分野からトップ10入りしたのが、ノミネートされた10語の中から「安心してください、穿(は)いてますよ。」の1語だけだったことでしょうか。

お笑いコンビの「ダメよ~ダメダメ」が「集団的自衛権」とともに昨年の大賞に輝いたことを振り返ると、今年の低迷はどうして? ともなりますが、トップ10に「アベ政治を許さない」「一億総活躍社会」「SEALDs」など政治から3語が入っていることが象徴するように、いつまでもお笑いでふざけている場合じゃない! という世相の緊迫感もあったのではないかと思います。

こうした流れが、次に来年、どういう新語・流行語を生んでいくのか、興味のあるところですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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