揺らぎ続けた「安」

この1年の世相を漢字一字で表す「今年の漢字」は「安」となりました。

今年話題になった言葉に贈られる「ユーキャン新語・流行語大賞」も見逃せないイベントですが、それと並んでこちらの「今年の漢字」もまた、興味深いものがあります。

「新語・流行語大賞」は、自由国民社刊「現代用語の基礎知識」編集部が、読者審査員のアンケートをもとにノミネート語を選出、選考委員会によってトップテン、年間大賞が決められます。

ちなみに今年の「年間大賞」には「トリプルスリー」と「爆買い」の2語が選ばれています。

一方の「今年の漢字」は、日本漢字能力検定協会が、その年をイメージする漢字一字を全国から一般公募、その中から最も応募数の多かったものを選んでいます。

同検定協会によると、今回の応募総数12万9647票中、最多で1位となった「安」は5632票だったとのことです。2位は「爆」でした。

いずれも、一般が感じたものを“根っこ”の部分に置いており、その意味では、人々が身近なところで受け止めた切実さがにじみ出ている、といえるのではないでしょうか。

意図的に“丸々”と書かれた?

さて「今年の漢字」に選ばれた「安」-。

清水寺(京都市東山区)の森清範貫主が、清水の舞台で大きな和紙に墨で「安」の字を一気に書き上げるシーンは、テレビ各局で報じられましたが、その書体が全体的に〈丸々としていた〉ことにアレッ? と思い〈ひょっとしたら森貫主が意図的に?〉を感じてしまいました。

というのも、この「安」という一字が、今年を振り返って「安泰だったから」という理由で選ばれたことでないことは明らかなことだからです。

まず、さまざまな意味で目立ち過ぎた、政権を率いる「安」倍首相の存在。関連して「安」全保障関連法案をめぐる与野党の対立、国民の怒り。イスラム国による日本人ジャーナリストの拘束事件と殺害、バリ爆破など世界に広がるテロへの不「安」。さらには・・・安心・安全を根底から覆したゼネコンのクイ打ちデータ流用、マンション傾き事件への大不信もありました。

つまり、これほど「安」が揺らいだ年もなかったろう、という、切実な思いに対する「安」で、そこに「心」は続かず、残念ながら先に「不」がついてしまう「安」となりました。

・・・が、その裏には、人々の「安心・安全」な社会を願う気持ちがあるわけで、森貫主も「来年こそは、安心・安全な社会をつくっていきたいという皆さんの思いが、この字に表れているのではないでしょうか」と話しています。

それを受けて・・・森貫主が〈丸々と角なく〉書いた「安」の字-。

意図的だったかどうかなど、分かるはずもありませんが、安倍首相には、そういう目を持ち、敏感に気付いてもらいたいものだなァ、とつくづく思います。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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