繁栄するJLPGAツアーの裏で・・・

シーズンを終えた国内プロゴルフ界は、男女とも既に来季2016年シーズンの日程が発表されています。

現時点では、男女とも今季より1試合増の、男子のJGTO(日本ゴルフツアー機構)が計26試合、女子のJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)ツアーは計38試合、となっています。

特にこのところ、右肩上がりの繁栄で賑わうJLPGAツアーは、来季38試合の賞金総額が35億2000万円となり、今季を1億4650万5000円上回り、歴代最高額を4年連続して更新する勢いを見せました。

それを受けてJLPGA・小林浩美会長は、大目標を〈世界で日本人選手が勝つこと〉とし、世界にジャパン・ウエーを示したラグビーやフィギュアスケート男子の羽生結弦(21=ANA)のように〈世界の舞台で結果が出せる選手が増えてほしい〉と話しました。

同会長のこの願いには、恐らく切実なものがあることだろうなァ、と思います。

今季のJLPGAツアーは、7勝を挙げ、同ツアーの年間最高額となる獲得賞金2億3049万7057円で賞金女王に輝いたイ・ボミ(27=韓国)の、ほぼ一人舞台となった感がありました。

彼女は、年間最優秀選手賞、平均ストローク1位も獲得し3冠達成の大活躍を演じています。

これにより賞金女王の座は、2010年以降、13年の森田理香子を除いてすべて韓国勢に奪われており、特に今季は、日本勢がトップ5に入れない(日本勢の最高位は渡邊彩香の6位)という“異常”事態を引き起こしています。

メジャー4競技に勝てなかった日本人勢

小林会長が「技術、体力、精神力、マネジメント力・・・4つの中で日本人選手は何が足りないのか」と、日本人選手が浮上できない問題点を指摘しながらも、門戸開放を全面に押し出した“開けたJLPGAツアー”を崩さないのは、世界の選手がツアーをまたいで活躍する時代、との認識があるからです。

その意味で日本選手の弱さは、外国人選手が当たり前のように持つその意識を、残念ながら持たないことでしょう。

その理由の一つとして、ツアーの繁栄が示す“恵まれた環境”に日本人選手たちは甘え、外国人選手たちがそろって内に秘めるハングリー精神を忘れている、という指摘はできるかもしれません。

ツアーに帯同して取材を続けるスポニチ本紙の担当記者が“屈辱”としたのは、今季のメジャー競技4試合をすべて外国人勢に奪われたことでした。

▼ワールド・レディース・サロンパス杯=田仁智(韓国)▼日本女子プロ選手権=テレサ・ルー(台湾)▼日本女子オープン=田仁智(韓国)▼LPGAツアー選手権リコー杯=申ジエ(韓国)

これは、やはり、日本人選手のメジャー競技に対する認識の甘さ、と厳しく指摘されても仕方のないことでしょう。

USLPGAツアーの賞金女王にも輝いた岡本綾子プロは、自著「メモリアル・グリーン」の中でメジャー競技に触れてこう書いています。

世界最高の舞台であるこれらの「メジャー」は、プレーヤーすべてが全力を挙げて挑んでくる激しい「戦場」です。生半可な気持ちで戦うことはできませんし、ささいなミスも許されません。普段と変わらないトーナメントの一つだと思おうとしてもできない、ただならぬ空気が張り詰め、何か息苦しい感じがする。(略)〉

JLPGAツアーに参加する海外勢が、そうした緊張感を持ち、日本勢が持たないなら、この勝負は、戦わずして日本勢の負け、となってしいます。

小林会長が願う、門戸開放の方針を崩さない中、外国人勢との切磋琢磨で自分を磨き、世界で勝ちたいと野望を抱く〈第2の岡本綾子〉あるいは〈第2の宮里藍〉が出現する日は、果たしていつのことになるのでしょうか。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR