“根性派”の折れない心に感動!

車内のあちこちでにぎやかに中国語が飛び交う「新交通ゆりかもめ」に乗って12月29日午後、東京・有明コロシアムに向かいました。

こちらは緊張感漂うプロボクシングのダブル世界戦、WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(22)と八重樫東(32)の大橋ジム勢の出陣です。

いやいや凄かったですね~。

1年間のブランクをものともしない井上の2回TKO初防衛も凄かったですが、この日はやはり、激闘王・八重樫の“頭脳的ボクシング”による世界3階級制覇達成! のほうが主役だったでしょう。

元世界王者・浜田剛史氏の話を交えながら八重樫の激闘を振り返ってみましょう。相手はIBF世界ライトフライ級王者のハビエル・メンドサ(24=メキシコ)です。

八重樫は2014年9月のローマン・ゴンザレス(ニカラグア=帝拳)戦、同年12月のペドロ・ゲバラ(メキシコ)戦、と世界戦2連敗を喫しています。

その後、今年2試合のノンタイトル戦を経て、リベンジを胸に秘め、ゲバラ戦で敗れたライトフライ級再挑戦となりました。

-それを受けて今回はどんな戦い方をすればいいのでしょうか。

浜田氏「そうですね。八重樫は“根性派”のボクサーですが、今回は前半、相手に合わせて打ち合わず、打ちながら自分のペースをつかむ戦い方をしたいですね。前半、それができれば、後半はいつも通りでいいと思います」

24勝中19KOと高いKO率を誇るメンドサは、好戦的な選手です。予想通り、スタートから前に出て、積極的に手を出してきました。

“頭脳”もフル回転だった

それに対し八重樫は、まるで浜田氏の言葉を聞いていたかのように巧みな出入りで対応します。そして効果的な右の数々・・・。

浜田氏「八重樫のサウスポー対策は万全でしたね。右を打ち込む。すかさずワンツー。さらには右をグルグルと回すパフォーマンスで相手を戸惑わせていました」

八重樫はゲバラ戦でボディーを攻められ沈みました。八重樫を研究し尽くしただろうメンドサは4回、ボディーを攻め込んできました。

浜田氏「ひとつの勝負どころですよね。八重樫はどう対応したか。ボディーで返したんですね、このあたりの“緩急”といいますか、頭脳的でしたね」

劣勢の流れにあってメンドサは7回、勝負に出てきました。強めの攻めでパンチを繰り出し、八重樫の足も止まります。

浜田氏「8回が大きなヤマ場となりましたね。勢いに乗って攻めに出たメンドサを八重樫は打ち合いで止めます。メンドサの余力はもうあまり残っていない状態でしたから、八重樫に逆襲されて力尽きてしまった感じとなりました

こうなれば八重樫の、いつもの〈肉を斬らせて骨を断つ〉根性ボクシングの世界が繰り広げられます。最終12回は、メンドサをダウン寸前にまで追い込み、文句なしの勝利となりました。

浜田氏「メンドサは若さもあって正直に攻めてきましたね。それに対し八重樫の“頭脳的ボクシング゛が光りました。持ち味の根性と頭脳を全部出し切った試合でした」

こういう試合はいいですねェ。

会場を包む「東(あきら)コール」を背に勝利の直後、ベルトを渡された八重樫は、リング上に崩れ落ちるようにしゃがみこみ、ベルトを額に当てて涙を流していました。

そして・・・マイクを握ると「昨年、一度は辞めようと思ったけど・・・」の言葉。

日本人選手3人目の世界3階級制覇です。

〈七転び八起き〉ではありませんが、ホント、この人の〈折れない心〉には、観る側も勇気をもらいます。
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR