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“無縁社会”の悲しい孤独

過日、高校(神奈川県立鎌倉高校)時代の友人から、私たちが3年時の担任だった恩師・O先生のお墓参りをする旨の連絡が入り、出かけました。O先生は1989年(平成元年)1月に逝去されたのですが、墓参後の会食の席でお墓参りの発起人となった同級生の一人・Mから、こんな話を聞きました。

恩師が亡くなる一年前の1988年に一人の同級生が孤独死のような形で亡くなったことを受け、心を痛めたO先生は「仲間たちのこういう死は皆でなくさなくてはならない。お互いに連絡を密にして協力し合うように・・・」ということをMに話したというのです。その言葉は思いもよらず、恩師が教え子たちに残した最後の言葉となる“遺言”となってしまい、それだけ心に深く刻まれるものとなりました。

そういう出来ごとがあって、現代社会になお一層、増えつつある“孤独死”をあらためて考えていたとき、10月30日の午後8時からNHKテレビが放送した「日本の、これから」で“無縁社会”を取り上げていました。

人と人との繋(つな)がりが希薄になって起こる無縁社会は、まさに年々増加する孤独死が象徴しているようですが、このテーマは本当に人ごとではありません。テレビの画面を通して伝えられる有識者の提案、スタジオに集まった一般視聴者との討論は、明日は我が身、の緊迫感をもって迫って来るようでした。

孤立を余儀なくされる、殺伐とした無縁社会を考えるとき、やはり核家族化が主な要因となっていることは否めないでしょう。データによると、日本の核家族化は1960年代、高度成長期から急激に増えた、とされています。確かにそれまであった、のどかな(?)家族形態、祖父母から孫まで大家族でにぎやかに同居して暮らすのが当たり前だった時代には、血縁・地縁といったコミュニケーションの厚さは十分すぎるほどあったことでしょう。

新しい“縁づくり”の提案

が、その家族形態が崩れ、核家族化が進むにつれて家族の助け合い、家族の介護、などが次第に疎遠となり、とともに血縁・地縁のつながりも次第に希薄になっていきます。

こうした局面にあって「日本の、これから」の中で有識者たちは、そろって“新しい縁”づくりを提案していました。つまり、これまであった血縁、地縁、社縁といった各種の縁が崩壊したとき、それに代わる第四の縁づくり、あるいは「おせっかいの復権」・・・などでしたが、これも、第三者によって押し付けられる“迷惑さ”とか、当人のプライバシーの侵害などがあり、いざ実行するとなるとさまざまな問題が発生してきそうでした。

とはいっても、番組に出演した一般視聴者が発言した「例えば今、風呂場で倒れたとしても一週間は発見されないだろう」などということは、高齢者だけでなく、一人住まいの若者にも起こる可能性のある出来ごとであり、身につまされたのは私だけではないと思います。

無縁社会、孤独死、あるいは自殺者の増加、家族形態の崩壊、地域との疎遠・・・こうした温かみのない、殺伐とした現代社会の一面を思うと寂しい限りですが、恩師が遺した同級生による密な横のつながりも、一つの新しい縁づくりとして肝に銘じておこう思った次第でした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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