鎌倉十井への興味

三寒四温の気候。春が近づきながらも、まだまだ冬がしぶとく粘り、寒風に身を縮めた2月25日午後-。

鎌倉好きの例の友人F君とJR横須賀線「北鎌倉」駅に向かい、周辺の寺社めぐりとなりました。

「さあ、どこへ行こうか」「花の季節にはまだ早いな」「まあ、気の向くまま、にするか」と、右側(鎌倉街道側)の改札口を出てブラブラ歩き、無目的の足はなぜか「東慶寺」(鎌倉市山ノ内)に向かっていました。

境内に足を踏み入れ、男2人が思わず「いいねェ」と唸(うな)ってしまいました。

かつての〈駆け込み寺〉は、今は〈花の寺〉として名を馳せていますが、その通り、梅が見ごろで目を楽しませ、気持ちを和ませてくれたのです。

華やかな桜もいいねェ。でも、その季節の前にひっそりと咲く梅のけなげさは捨てがたいね、ということで心が安らぎ、どこか得をした感じとなりました。

ここに来たら、私が好きな鎌倉五山の第4位「浄智寺」(鎌倉市山ノ内)に行かないわけにはいかず、その厳粛な庭をのぞいて満足した後、さらに鎌倉街道を鎌倉方面に向かって歩き、途中、右折して山ノ内と扇ガ谷を結ぶ「亀ケ谷坂切通し」を経て「海蔵寺」(鎌倉市扇ガ谷)へと歩を進めます。

それぞれの言い伝えが面白い

ところで・・・こうした経路にあってちょっと見落としがちなのが「井戸」ですね。鎌倉には、江戸時代に鎌倉の観光名所として定められたという〈十の井戸〉つまり「鎌倉十井(じゅっせい)」が点在しています。

その井戸は-

①鉄(くろがね)の井② 底脱(そこぬけ)の井③泉(いずみ)の井④銚子(ちょうし)の井⑤星月(ほしつき)の井⑥六角(ろっかく)の井⑦瓶(つるべ)の井⑧甘露(かんろ)の井⑨棟立(むねたて)の井⑩扇(おおぎ)の井

-ですね。

この「鎌倉十井」のうち、底脱の井(海蔵寺=扇ガ谷)、泉の井(扇ガ谷)、扇の井(扇ガ谷)、瓶の井(明月院=山ノ内)、甘露の井(浄智寺=山ノ内)の五井までが、今回散策した山ノ内~扇ガ谷のエリアに点在しているのです。

そのネーミングがユニークな「底脱の井」は、海蔵寺の山門、右横前に位置していました。井戸の横の石碑には、こんな文字が刻まれています。

〈千代能がいただく桶の底抜けて 水もたまらねは月もやどらず 如大禅尼〉

歌の注釈として「桶の底が抜けて頭から水をかぶり、心の底が抜けてわだかまりが解け悟りが開けた、という〈解脱の歌〉とあり、ウ~ン、面白いエピソードだなァ、心の底とは、と感心、しばらく、その小さな“泉”の前に立ち尽くし、千代能が水浸しになった場面を思い浮かべてしまいました。

海辺に位置する鎌倉は、あまり良い水に恵まれず、良い水が湧き出る井戸が重宝され、それが「鎌倉十井」にされた、と資料には記されています。

人々にとっては、生活面で貴重な水だったことでしょうが、その水を生む井戸に数々の言い伝えがあり、いかにも“鎌倉らしさ”が感じられました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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