FC2ブログ

面白いものは何かの選び方

地上波テレビのNHK総合が生中継を決めたのは“急きょ”でした。心地よい秋晴れに恵まれた文化の日の11月3日、東京・神宮球場で行われた東京六大学野球秋季リーグ戦、早大vs慶大の優勝決定戦です。

テレビ局が生中継を決断した“急きょ”の背景にはもちろん、それを裏付けるさまざまな話題が含まれています。同リーグでの早慶による優勝争いは、1960年(昭35年)に行われたリーグ史に残る伝説の死闘「早慶6連戦」以来、実に50年ぶりであること。さらに早大には、ドラフト1位指名を受けた3投手、斎藤佑樹(日本ハム)、福井優也(広島)、大石達也(西武)が顔をそろえていること。また、会場の神宮球場周辺には、当日券を求めて多くのファンが足を運び、この大会が盛況となるだろうということ・・・などなど。

(スポーツ紙も日本シリーズを押しのけて斎藤・早大Vを一面に)
斎藤V

それらに食いつき、実行に移すのは、当事者の「機を見るに敏」あるいは「機を逸せず」「機に臨み変に応ず」など臨機応変の対応力でしょう。そしてそれは、新聞、テレビなど各メディアの日々の報道にあって、一日の出来ごとの中で何が一番面白く、何が読者、あるいは視聴者を引き付けるか、を判断し、例えばスポーツ紙なら一面候補をチョイスするうえで欠かせない要素なのですが、最近つくづく感じることは、何が面白いかを判断するのに、かつてあった基準がなく、いわゆる“定番”というものがなくなっていることです。

野球人気が低迷しているわけではない

地上波テレビのNHK総合が東京六大学野球の優勝決定戦に急きょ、飛びついた臨機応変の対応とは対極にあるのが、プロ野球日本シリーズへのテレビ各局の対応ではないでしょうか。

中日vsロッテの今季の日本シリーズは、すでに結構な話題となったことですが、計7戦中、第1、第2、第5の3戦に地上波によるテレビ中継がありません。この日現在、4戦(第4戦はテレビ東京が放送)を終えましたが、では、それまではどうだったでしょう。

NHK衛星第一で放送された第1、第2戦は、ビデオリサーチによる視聴率では、衛星放送の影響もあるのでしょうが、いずれも平均3~6%と低い数字が並んでいます。「巨人、大鵬、卵焼き」ではありませんが、以前は何はどうあれ、とりあえずこれらの“人気もの”を出しておけば(野球なら特に巨人を)最低保障的に間違いのないところがあったのですが、今はそんなことは通じなくなっています。プロ野球の今季日本一を決める国内最高峰の試合さえも、もはや“切り札”とはならない時代、ただやっておけばいい、という時代ではないのです。

これは単純に「野球人気の低迷」ということではないでしょう。なぜなら、この早慶戦に地上波のNHK総合が飛びついており、実際、この日の神宮球場は3万6000人(主催者発表)の大観衆で埋まり、7回まで斎藤がノーヒットの快投、が、8回に5点を奪われる緊急事態発生で降板、交代した大石が剛速球と変化球を織り交ぜ、早大が10-5で優勝した試合は、両チームとも、全員の一生懸命さが伝わる好試合で、すがすがしさを残す熱戦となりました。

プロ野球の人気はどこに行ってしまったのか。もし、野球人気が低迷しているわけではないが、プロ野球人気が凋落している、という現象があるなら、これは由々しき問題と言わざるを得ないでしょう。

〈11月5日追記〉

*ちなみに早慶優勝決定戦のテレビ視聴率(ビデオリサーチ調べ)は平均12・1%(関東地区)と健闘。同日夜にテレビ東京が生中継したプロ野球日本シリーズ第4戦は平均9・7%(同)と苦戦しました。


スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR