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MAXで石井が見せた持ち味

格闘技ファンの“こだわり”というか、ある意味、仁義的な“筋の通し方”には独特のものがあり、それは徹底しています。

例えば「立ち技打撃系」のファンが集まったリングで「総合系」の試合が行われれば、生理的な嫌悪感? といったものが先立ってしまい、そんなもん、とてもじゃないが受け入れられネーよ、といった感情、ブーイングが起きてしまいます。

11月8日、東京・両国国技館で開催されたK-1の中量級大会「ワールドMAX~世界王者決定トーナメント決勝戦」の舞台。そこに1試合だけ、DREAMルール(1R10分、2R5分)での特別試合として組み込まれた石井慧(23=アイダッシュ)の、まるっきり浮いた存在? がそれだったでしょうか。

北京五輪柔道100キロ超級金メダリストの初のK-1リング参戦です。話題性はあったものの、K-1戦士の受け止め方としては「MAXに魔裟斗さんがいなくなって石井選手の力を借りるというのは、MAXに出ている者として情けない」(山本優弥=スポニチ本紙から)であり、K-1ファンの方はどうかな? と「BoutReview」の掲示板欄をのぞいてみると案の定、否定的な言葉がズラリと並んでいました。

参考までにちょっと引用させていただくと、内容は次の通り、かなりボロクソの酷評ではあります。

「石井は客寄せパンダなんだとよくわかる。魔裟斗がいなくなってからの視聴率要員でTBSも嬉しい限りでしょうね」

「客寄せパンダになれるほど、誰も注目してないよ。ま、単なるトイレタイム要員ですな」

「なんでMAXで石井かね~。石井vsシュルト、アリスターで総合ルールとK-1ルールで計4Rなら見たい。悪いけど・・・」

いやいや、遠慮はいりません。いいことですねェ。皆さんの言いたいことはよくわかります。ファンの方々のこうした批判、酷評、ブーイングこそが、大会を盛り上げ、選手の存在感を濃くします。石井の存在などは、しょせんこの世界では“ヒール”でしかあり得ないのですよ。まあ、しかし、秋山成勲がそうであったように、ヒールの存在というのは、ファンの神経を逆撫(な)でして、むしろ、一方の雄的な面白さがあるのですがね。

ブーイングをはねのける1本勝ち

8強による世界王者決定トーナメントでは、日本の佐藤嘉洋(名古屋JKファクトリー)が初の決勝進出を果たし、しかし、ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)には“あと一歩”届かず、判定負け(0-3)するという展開にK-1ファンは手に汗を握ったかもしれません。が、佐藤の健闘は“またか”といったいつものパターン。魔裟斗が去った舞台で毎度の惜敗ではもう、追いつかないのです。

そういう中で石井の試合は良かったと思いますよ。どこが良かったかというと、終始グラウンド勝負を繰り広げ、最後は腕固めの関節技で一本勝ちしたことに対してです。

石井の相手は当初、キックボクサーのアンズ“ノトリアス”ナンセン(27=ニュージーランド)でした。ナンセンといえば、昨年9月の「戦極(現SRC)~第十陣」でプロ格闘家としてデビューしたアテネ五輪柔道90キロ級銀メダリストの泉浩を打撃でボコボコにして1回KO勝ちした柔道家キラーです。この相手に今回、石井は何を見せるだろうか、というのが私の興味でした。

石井はデビュー戦となった吉田秀彦との柔道家対決で終始、吉田の打撃に付き合って、最後は殴られっ放しとなってしまいました。戦極の泉にしてもUFCに行った秋山にしても、あるいは石井にしても、プロ格闘家に転向した柔道家たちは、なぜこうも打撃戦にこだわるのかというのが、私にとっては不思議の一つでした。打撃から入ってもテークダウン、組み技系への移行は柔道家の持ち味ではないかと思うからです。

練習中の負傷で欠場を余儀なくされたナンセンに代わり、対戦相手が急きょ、柴田勝頼(ラフター7)となりましたが、石井はへたくそなスタンドでの打撃にこだわらず、打撃からテークダウン、さっさとグラウンドへ移行し、横四方、マウント、上四方、そして左腕をほじくり出し、動きが取れないほどにガッチリとアームロックを決めてしまいます。K-1ファンの神経を逆撫でするかのような一連の流れ、1R3分30秒の中に初めて「石井スタイル」を見た思いがしました。

この日の勝利が今後への大きな飛躍材料となったことは確かでしょう。石井本人はいかにもビッグマウスらしくUFC戦士「ティト・オーティズ」の名前などを口にしましたが、泉なども対戦を希望しており、年末の「Dynamite!!」の舞台がまた、にぎやかになりそうです。


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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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