なぜ子供の声がトラブルを起こす?

友人が渋い顔で言いました。

〈子供の声なんてものは、もともと、うるさいもんだろ。それを許容するのが大人というものだと思うけどね。子供がうるさくなくなってどうするのよ〉

千葉県市川市で4月に開園を予定していた私立保育園が、近隣住民たちの「子供たちの声でうるさくなる」との反対運動により開園を断念した、という出来事に関してです。

報道によると、保育園周辺の道路が狭くて危険、という近隣住民の危惧もあったようですが、やはり、子供の声で騒がしくなる、という、昨今“問題化”している事象が、開園反対の大きな理由となったようです。

改めて考えさせられる「子供の声は“騒音”か?」-の問題です。

そういえば一昨年秋、神戸市東灘区の保育園での子供の声が「うるさい」として、近くに住む70代の男性が、運営側に防音設備の設置や慰謝料100万円の支払いを求める訴えを起こした、という出来事がありました。

このときの男性の主張(訴状)は「子供らの声や太鼓の音などは騒音。神戸市が工場などを対象に定めた規制基準が保育園にも適用されるべきだ」というものでした。

友人の意見同様、もともと、うるさい子供の声にあって、大人たちがそれを、どこまで許容するか、ということだと思います。

どこまでを許容範囲とするか

今の世の中、少子化が問題になる一方、待機児童の増加もまた問題になったり、構造が複雑になった分、人々の思考、感情もさまざまです。

東京都は「環境確保条例」で〈規制基準を超える騒音の禁止〉を定め、子供の声も騒音の一部としていましたが、東京都・舛添要一知事は、昨年4月「子供たちの騒音は将来の音楽」として数値規制対象から除外する改正案を施行しました。

声の騒音に我慢できないところにいる人たちにとっては、将来の音楽など情緒的過ぎる、と深刻な問題に頭を抱えてしまうかもしれません。

が、やはり、感情を抑えた許容範囲を冷静に考えることは、この問題にもっとも必要なことでしょうね。

私が以前、居住するマンションの管理組合役員を輪番制で仰せつかっていた時期、居住者の苦情で一番多かったのが「騒音(生活音)」に関するものでした。

上の部屋から下の部屋に響く、バタバタというスリッパの音、ドアが閉まる締まるバタンという音、子供たちが走り回るドンドンという音・・・苦情を訴えた居住者は、極めて冷静に「許容度はわきまえているつもりですが、日々の問題となるとやはり・・・」と話しました。

集合住宅における、この種の騒音、生活音の問題は、いわゆる「感情公害」であり、音を出す側とそれを受ける側の感覚に差があり、解決策がなかなか見つからない、というところに限りない難しさを秘めています。

つまり、自分の子供たちが、力余って部屋の中を駆け回ることは、元気であることの証明であり、親としては、コラコラおとなしく! 程度の感覚でニコニコと見守っているのが普通でしょう。

では逆に、その音を聞かされる側になると・・・ということです。

要は、子供たちにそれを教えるのは難しいと思いますが、少なくとも親たちが、集合住宅に住む者のわきまえとして、他人への思いやり、気遣い、を徹底し、子供たちにも言い聞かせることが大切なのではないかと思います。

子供の声を騒音と感じることで起きるさまざまなトラブルは、広い視野で見れば、地域全体で子供たちのにぎやかさを温かい目で見守ろう、とする、以前はあった共同体意識が次第に薄れ、孤立の時代に移行したことが原因となっているのかもしれません。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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