“激闘王”が迎える初防衛戦は?

「八重樫はどうだろうね」-。

ボクシング好きの友人から“打診”の電話が入ってきました。

5月8日、東京・有明コロシアムで開催されるプロボクシングのダブル世界戦、WBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥(23=大橋)とともに初防衛戦に臨むIBF世界ライトフライ級王者・八重樫東(33=大橋)について、です。

この友人は、八重樫という“激闘王”の男気に惚れ込んでおり、いつものことですが、試合が組まれると夢中になってしまいます。

八重樫ファンには、この友人に限らず結構、このテの熱いタイプが多いかもしれませんね。

確かに八重樫には“不屈の闘魂”という言葉が似合います。

私がこの選手に注目したのは、2007年6月4日、プロ7戦目で王者・イーグル京和(角海老宝石)=当時=に挑んだWBC世界ミニマム級タイトルマッチでした。

まあ、八重樫らしいといえばその通りなのですが、世界初挑戦のこの試合、八重樫は2回、不運にもイーグルの頭が当たり、あごの左右両側を骨折してしまいます。

それでも最後まで戦い、結果は0-3判定負け。試合後に行ったあごの検査では、年内の試合出場が絶望となる「全治6カ月」の診断が下されました。

ボクサーにとって、あごを折られることは、心に負う痛手も大きいそうですが、このときの八重樫の心境は、痛い敗戦と痛い負傷、そして・・・それよりも痛い心のダメージだったことでしょう。

内山先輩に勝利を届けたい!

それを乗り越えて2011年10月、WBA世界ミニマム級王座を奪取したことも凄いことですが、それ以上に八重樫の男気は、2012年6月、初防衛戦で日本初の団体統一戦、WBC世界同級王者・井岡一翔(井岡)との試合に向かい、判定負けしたものの、死力を尽くした“殴り合い”は、日本中の八重樫ファンを泣かせたものでした。

さらに・・・この男はこんなことではくじけず、次に進みます。

2013年4月、WBC世界フライ級王者・五十嵐俊幸(帝拳)を流血戦の末、判定に下して2階級制覇達成。3度の防衛後、またまた、とんでもないところを目指してしまいます。

そうです。自ら対戦を志願した“ロマゴン”ことローマン・ゴンザレス(ニカラグア=現WBC世界フライ級王者)戦ですね。

ロマゴンの圧倒的優位とされた下馬評の中、八重樫が語りました。

〈難しいことに挑戦するとき、最初に成功する可能性なんて10%以下だと思う。子供が自転車に乗れるようになるときもそう。でも、乗り越えられないものはない〉

逃げずに真っ向勝負を挑み、9回TKO負け。

この敗戦で引退も頭をよぎったようですが、まだまだ八重樫の不屈の闘魂は燃え尽きようとしません。

2015年12月29日、2度目の3階級制覇への挑戦となったIBF世界ライトフライ級王者ハビエル・メンドーサ(メキシコ)戦に判定勝ちします。

24歳の若い王者を32歳の挑戦者が翻弄した勝利-。

そして・・・今回の初防衛戦。相手は同級10位のマルティン・テクアベトラ(26=メキシコ)です。

大橋ジム・大橋秀行会長によれば「相手は好戦的な選手。今回も激しい殴り合いとなりそう」とのことですが、八重樫には“先輩の分も”の男気があります。

先の防衛戦で悔しい敗戦となった前WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(ワタナベ)は、拓大時代の先輩・後輩に当たります。

先輩のためにも、ここで敗れるわけにはいかないだろうし、勝負を打診してきた友人に私は〈八重樫という選手は、そういう男だからね〉と答えておきました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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