FC2ブログ

2020年東京五輪への課題

スポーツ界は、近づく今夏のリオ(ブラジル)五輪に向けて熱が入り、さらには4年後の2020年、2度目の東京五輪を実施することで〈底辺の拡大・育成〉に力がこもっています。

昨今のスポーツ各界に顕著な、主に15歳を軸とする若年層の台頭は、東京五輪への貴重な戦力群として期待がかりますが、半面、底辺の拡大・育成、に関わる“指導面”で今、日本は曲がり角に立たされているような気がしてなりません。

例えば、この春先、小・中学校の運動会などで行われる「組み体操」での事故が多発していることを受けて、実施の賛否が大きく問われるという問題が発生しました。

スポーツ庁(鈴木大地長官)の調べによると、組み体操の事故は「ピラミッド」と「タワー」に多く、怪我や死亡事故などが多く起きる位置は、ピラミッドでは最下段、タワーでは中段、が比較的多いということでした。

ちなみに「ピラミッド」は、四つん這いになった生徒を何段も積み上げるもの、タワーは、生徒の肩に他の生徒を乗せて積み上げるもの、です。

いずれも、小規模なものから、決まれば華やかな10段の高さなど大規模なものまで、さまざまですが、崩れれば中段から下の生徒たちは下敷きになる危険性をはらんでおり、安全性に「?」がつき、学校教育としてはどうか? それほどまでにしてやるべきものかどうか、という論議が活発化するに至っています。

そうした中でのスポーツ庁の組み体操に対する方向性として、国が一律の禁止や制限はしない、各学校が教育効果と危険性のバランスを判断してほしい、とする旨を全国の都道府県教育委員会に提出しています。

つまり、やるならやる側が、実施条件を「確実に安全な状態」としてやれ、ということです。

日本のスポーツ指導に立ち塞がる壁

組み体操の教育的効果としては、基本的なバランスの取り方、とか団体競技としての協調性、成功した際の充実感、連帯感、などが得られることが挙げられますが、問題はやはり、失敗したときの事故の多さであり、何かが起きるなら、そうまでしてやる必要はないだろう、という声が起きるのが、平成の時代ということなのでしょう。

それより以前の2013年春、大阪市立桜宮高校のバスケットボール部主将だった男子高校生が、顧問から体罰を受け自殺した出来事がありました。

それを機に体育会系各部の部活動に対する体罰問題が表面化して批判が続出、根絶に向けて文部科学省が出したガイドラインは、腕を引っ張ることさえ理由づけがいるほどの要注意事項となり、熱い“スポ根”が感動を呼んだ昭和の時代は、もう昔のこととなってしまいました。

一方、こんなことも起きています。

日本のシンクロナイズドスイミング代表チームを率いて実績を上げていた井村雅代コーチが、日本を去った途端に日本は弱くなり、再び日本に復帰した途端、復活への道を歩み始めた、という事実です。

井村コーチの指導者としての力量が評価されたことは当然のことですが、ハッキリ言って彼女の指導は“超スパルタ”です。

スポニチ本紙の担当記者は「シンクロ代表に入っている教え子が“死んじゃうかも”とつぶやいていた。それくらい練習しないと世界で戦えないんだね」と、教え子を代表に送り込んでいる大学の先生の言葉を活字にしていました。

強くなるということは、そういうことなのです。

柔道界でも表面化した暴力的指導を機に、日本のスポーツ各界の指導は、すべてに無難な緩やかな対話路線へと移行しつつあります。

小・中学生たちの「確実に安全が確認できれば・・・」という組み体操への取り組みも、他方、シンクロ日本代表に突きつけた井村流の“スポ根”も、どちらがいいか、など結論が出るはずもありません。

そうした論議の前に・・・緩さの中でますます弱くなるかもしれない青少年たちの心身のほうが心配です。
スポンサーサイト



コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

最新記事
カテゴリ
最新トラックバック
月別アーカイブ
最新コメント
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

アクセスランキング
ランクアップにご協力下さい
↓↓↓↓クリック↓↓↓↓
QRコード
QR