泣くなよ! 次、頑張ろう!

「1対4」の戦い-。

17歳の“JKアマ”は、この展開をどう受け止めたことでしょうか。

6月19日に終了したJLPGAツアー「ニチレイ・レディース」(千葉県千葉市=袖ヶ浦CC親袖コース)での勝みなみ(17=鹿児島高3年)の奮闘です。

初日、5アンダーで首位タイ。第2日、通算10アンダーで単独トップ。アマ2勝目を懸けた最終日は、2位にペ・ヒギョン、3位に申ジエ、4位にイ・ボミ、金ナリと4人の韓国勢が、アマチュアの優勝を阻止すべく、逆転に向けて鋭い視線を放ちます。

第2日を終えてテレビのインタビューを受けた勝は「首位で最終日を迎えられワクワクしています。(最終日は)どれだけ粘れるかでしょうね」と気丈に答えていましたが、高校3年生の胸中は、ちょっと気を許せば、泣き出したくなるような、重圧のかかる状況だったに違いありません。

最終日が開始され、1番(パー4)で幸先よくバーディーを奪った勝に「アマチュアが勝つのは止めなければいけない」とプロの意地で迫ったのが同じ組で回る強豪の申ジエでした。

大会を中継したテレビの解説を務めた岡本綾子プロが言いました。

〈プロとしては当然の気持ちでしょうね。この大会を引っ張ってきたのはアマでしたが、最後はプロが技術の差を証明しなければ・・・ですね〉

会場に足を運んだギャラリーも、テレビの前に陣取ったファンも、2014年4月のJLPGAツアー「KKT杯バンテリン・レディース」(熊本県菊池郡=熊本空港CC)でツアー史上最年少優勝を飾った勝(当時15歳293日)の、それ以来の優勝を願っていたことでしょうが、岡本プロが指摘したように勝負の世界、それとは別にプロはプロで意地を見せなければなりません。

甘くなかった“プロの経験値”・・・

明暗を描いたのは5番(パー4)でした。勝がバンカーからの第3打が寄らずにボギーを叩いたのに対し、申ジエはエッジからチップインのバーディーを奪い、1打差に詰め寄ります。

続く6番(パー3)でも勝はボギーを叩き、勢いづく申ジエはバーディーを奪い、ここで首位の座が入れ替わります。その後の勝は7番(パー5)、9番(パー4)でボギーを叩き、前半アウトを終えて申ジエとの差は「3」-あるいはここで“勝負あった!”となってしまったかもしれません。

ショットに精度を欠き、パーセーブがやっとの苦しかった戦いが終わり、それでも勝は通算9アンダーで単独2位となる健闘を演じました。

ビックリさせられたのは、テレビのインタビューに応じた勝が泣きじゃくっていたことです。

その涙に〈本当に優勝したかったのだなァ〉の気持ちとそれを逃した悔しさが感じられます。高校3年生のアマが、プロの試合でこれだけの戦いを展開させれば、やるだけのことはやりました、と納得し、2位に踏みとどまったことに笑顔を見せるのが普通でしょう。

1998年(平10)7月1日生まれ。初優勝から2年2カ月を経て訪れたチャンス。勝の目標は、17歳中に2勝目を挙げ、その段階でプロ転向を宣言したい意向もあったようです。

それがお預けになった悔しさ、そして涙・・・。

岡本プロは、こうも言いました。

〈申ジエさんのゴルフを見ていい勉強になったでしょうね。(勝は)よく頑張ったけど、まだまだ多くの課題を残している選手。これからですね〉

同一大会3連覇を飾った申ジエのコメントを、取材に当たったスポニチ本紙の担当記者は、こう伝えていました。

〈逆転する気持ちは持っていた。アマの攻め方より、プロの経験値が勝ると思って臨んだ〉

と-。

プロの世界は、そして、そこで勝つことは、厳しく難しいものです。

さあ、涙を拭いて・・・次は“うれし涙”が待っているかもしれませんよ。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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