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新たな歴史を刻んだ怪物

いやはや、凄いものを見せてもらいました。パッキャオの、まさに“超人間的”な、としか言いようのない戦いぶりです。

プロボクシングのWBC世界スーパーウエルター級王座決定戦12回戦は11月13日(日本時間同14日午後)、米テキサス州アーリントンで行われました。5階級制覇王者マニー・パッキャオ(31=フィリピン)と同級1位で元WBA世界ウエルター級王者アントニオ・マルガリート(32=メキシコ)の激突。試合の模様は14日正午からWOWOWが生中継しており、ご覧になったボクシング・ファンの方々も多いと思いますが、まず、会場となったNFLダラス・カウボーイズの本拠地「ダラス・カウボーイズ・スタジアム」を埋め尽くした6万余人の大観客(すごいですねェ)が、この試合の注目度の高さを表していました。

(超人間的な戦いを見せたパッキャオ=WOWOWから)
パッキャオ

試合前の興味といえば今回、パッキャオのウエート調整はどうか? ということにありました。現地時間12日に行われた計量では、パッキャオが65・590キロ、マルガリータが68・040キロ、と伝えられました。

マルガリートのスーパーウエルター級(リミット69・85キロ)のウエートは当然として、パッキャオには持ち前のスピード維持とウエート増の兼ね合いをどうするのか、と注目されましたが、ウエルター級(リミット66・68キロ)の範囲内と、軽量に抑えていたことが、オオッという感じでした。ちなみにWOWOWのインタビューにパッキャオは「一時、体重を増やしたが、スピードが落ちたのでやり直した」と微妙だったウエートコントロールを明かしていました。

が、それによって体格差が歴然となります。身長が11センチ、リーチが15センチ、いずれもマルガリートが上回ったことは、体格面の問題で仕方がありませんが、パッキャオにしてみれば、パワー面を互角にするための体重増を控えめにしたことにより、リング上では本当にひと回り以上、小さく見えたものです。

そして・・・対決した2人の戦いは?

序盤、マルガリートがガードを固めて前進、体格差を生かして追い詰め、持ち味の連打を見舞う態勢で迫ります。しかし、パッキャオは右のジャブを軸にスピードで圧倒、速射砲のパンチを繰り出し、マルガリートはガードを固めたままパンチを出すことが出来ません。

凄かったのは4回の猛攻撃でした。パッキャオは上へ下へとパンチを繰り出し、すさまじい二波、三波の波状攻撃を仕掛けて圧倒、マルガリートは右目下をカットして大きなダメージを負ってしまいます。パッキャオは6回にボディーブローを受けて一瞬、腰を落とす危ない場面もありましたが、その後は激しい打ち合いの中でも主導権を握り続け、結果は大差のポイント(120-108、118-110、119-109)で判定勝ち、オスカー・デラホーヤ(米国)に続く史上2人目となる6階級制覇の偉業達成となりました。

(歯が立たなかったマルガリート=WOWOWから)
マルガリート

6階級制覇とは言いますが、パッキャオの場合、フライ級から始まってスーパーウエルター級まで実質10階級を股(また)に懸けて戦っているわけですが、この日のパッキャオの試合への備え方、戦い方を見て明らかになったことは、この“怪物”にとってスピードを持ち味とした自分のボクシングさえ出来れば、階級の違い、体重差はもはや関係ない、という揺るぎない自信でした。

5月に行われた母国の下院議員選挙に当選しパッキャオは国会議員となりましたが、このマルガリート戦は、現役ボクサーと併せた“二足のわらじ”の後、初試合でした。調整不足も指摘されてピンチ説もありましたが、それも杞憂に終わる、不安材料のない結末。パッキャオというスーパースターにはつくづく、だからこそかもしれませんが、常識が通じない男、超人間性を感じます。

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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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