最終章を迎える最強伝説!

ちょっと先の話になりますが、プロボクシング界の“秋の陣”は、WBC世界バンタム級王者・山中慎介(33=帝拳)が、先陣を切って登場します。

9月16日にエディオンアリーナ大阪で行われるWBC世界バンタム級タイトルマッチ、山中の11度目の防衛戦ですね。相手は同級1位アンセルモ・モレノ(パナマ)で昨年9月以来の再戦となります。

さて、このリングでもう一つの大きな話題は、元世界2階級制覇王者・長谷川穂積(35=真正)の3階級制覇への挑戦ですね。

長谷川は、2014年4月以来、2年5カ月ぶりとなるこの世界戦に、自身のボクシング人生を懸けて臨むことになりました。

WBC世界スーパーバンタム級王者ウーゴ・ルイス(メキシコ)へのチャレンジが発表された7月6日の記者会見の席上、長谷川は「これがラスト・チャンス、ラスト・チャレンジ」と何度も“ラストを口にしました。

取材に当たったスポニチ本紙の担当記者は、真正ジム(兵庫県神戸市)山下正人会長の「負けたら引退。勝ってもどうするかは決めていない」という言葉を報じ、勝って3階級制覇達成、王者に返り咲いても、あるいは引退を選択する可能性が強い、ことを伝えていました。

“・・・でした”という表現は不謹慎ですが、本当に長谷川は凄いチャンピオン“でした”ね。果敢に切れ込んで相手をえぐる、スリリングなスタイルにシビれまくったファンの方々は多いことと思います。

が、長谷川のスタイルは、もともとはカウンターパンチを武器に迎え撃つ、ディフェンス重視の地味なタイプのボクサーでした。だから2005年4月、WBC世界バンタム級王座を奪取するまでのプロデビューから19試合(17勝2敗)の内容は、判定勝ち=12試合、KO勝ち=5試合、判定負け=2試合、と、取り立ててこれ! というものは少なかったと思います。

“あの頃”より“今”を見てあげよう

それが・・・ファンを沸かせるようになったのは、王者になって以降、危険を冒してもKO勝利を狙うスタイルの確立は、やはり、王者としての自覚だったことでしょう。

WBC世界バンタム級王座を10度の防衛。内容は7度のKO勝利、3度の判定勝利。中でもV6からの5試合、2度の2回KO勝利と2度の1回KO勝利(もう1試合は4回KO勝利)は特筆もので、スピードと連打の速さを裏付ける“秒殺”的な迫力で観客を魅了し続けていました。

その裏で苦しみ抜いたのは、減量の辛さだったですね。

バンタム級リミット53・52キロに向けて毎試合、飲まず食わずの10キロ減量を余儀なくされる状況にありました。

振り返れば、この減量問題が深刻になった時点で長谷川の快進撃に曇りが生じた、という見方もできるでしょう。

11度目の防衛に失敗後、WBCフェザー級王座決定戦に勝ち2階級制覇達成。が、初防衛戦に敗れ、スーパーバンタム級で3階級制覇にチャレンジしましたが、これも敗れ、2試合の再起戦を経て今に至っています。

バンタム級から2階級上げたフェザー級、さらに1階級落としたスーパーバンタム級・・・その間、年齢もあり、適正体重をどこに置くかが難しくなっていることを裏付けていました。

今回、2度目となる3階級制覇へのチャレンジは、リミット55・34キロのスーパーバンタム級で相手はWBC王者のルイスです。王者は初防衛戦。

試合当日、長谷川の35歳9カ月の年齢は、勝てば〈日本人最年長世界王座奪取〉となります。

長谷川が言う、若いころのスタイルを取り戻すのではなく、35歳に適応したスタイルを見つければ勝てると思う、は、まったくその通りでしょうね。

だから、この試合、私たちは“あの頃”の長谷川スタイルを見せてもらいたいとも思いますが、そうではなく、長谷川スタイルの集大成としての“今”を見なくてはならないでしようね。

頑張らずに、でも、頑張ってもらいたいものです。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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