合わせて86歳のものすごい戦い

常識的には“守り”が不可欠の「The Open」とは思えない、入れれば入れ返すバーディー合戦-。

いや~凄かったですね~。ステンソン40歳、ミケルソン46歳、合わせて86歳のデッドヒートは、観(み)る側の手に汗を握らせました。

USPGAツアーのメジャー第3戦「全英オープン」(7月17日最終日、英国トルーン=ロイヤルトルーンGC)は、ヘンリク・ステンソン(スウェーデン)とフィル・ミケルソン(米国)の〈異次元の一騎打ち〉が展開されました。

第3日を終えて通算12アンダーで首位のステンソン。1打差の通算11アンダーで追うミケルソン。いきなり1番、ステンソンがボギー、ミケルソンがバーディーで首位が入れ替わった最終日の優勝争いは、テレビ朝日が7月17日午後9時56分から、ゴルフ専門チャンネルのゴルフネットワークも同日、それぞれ生中継してくれており、ゴルフファンの方々は、佳境に入った日本時間深夜の時間帯、テレビの前から離れられなかったのではないでしょうか。

サッカーなど動きの速いスポーツにあっては、ちょっとトイレに・・・などと場を離れた瞬間に点が入ったりして、観る側も気が抜けませんが、ゴルフでこれだけ気が抜けない展開も、そうそうあるものではないでしょう。

1番で首位の座を譲ったステンソンが、2番から怒涛の3連続バーディーで首位の座を奪い返せば、4番パー5、ミケルソンは第2打をピン左奥2メートルにつけ、圧巻のイーグルを奪い離れません。

6番では、ステンソンがバーディーを決めれば、ミケルソンも入れ返し、ともに通算15アンダーの首位並走。前半アウトは、8番でステンソンがバーディーを奪い、一歩リードで折り返しました。

通算20アンダーなんて信じられない!

それにしても・・・ロイヤルトルーンは、こんなに稼げるコースだったでしょうか。テレビに映し出された、スコットランド南西部沿岸に位置する、いかにも“全英”らしい、風雨にさらされれば困難が増すだろうリンクス・コース。が、天候に恵まれたとはいえ、2人のスコアは、前半アウトを終えて、ステンソンが3連続を含む5バーディー(1ボギー)で32、ミケルソンが1イーグル、2バーディーで同じ32。とても“全英”らしくない奪い合い、入れ合い、となったのです。

振り返ってみれば、前回ロイヤルトルーンで開催された2004年大会では、優勝したトッド・ハミルトン(米国)のスコアは、通算10アンダーで、この大会は4日間とも天候に恵まれています。

さらに・・・信じられないことに“難所続き”で選手泣かせの後半インで、2人は構わずコースを叩きのめします。

結果を先に言うと、ステンソンが3連続を含む5バーディー(1ボギー)で31、何と63で回り4日間通算20アンダーという驚異的な全英オープン最多アンダーパー記録で優勝。猛追及ばずの2位となったミケルソンも2バーディーの33、ボギーなしの65で回り、4日間通算17アンダー。後続の3位が通算6アンダーという、まさに2人合計86歳の凄い勝負でした。

明暗を分けたのは、ステンソンの14番からの3連続バーディーだったでしょうね。ミケルソンは16番パー5、2オンに成功したものの、約7メートルのイーグルパットがカップの淵で止まってしまう不運があり、ここでの2打差が勝負を分けたと言えます。

最終18番ホール。グリーンに向かう2人を大ギャラリーが総立ちで迎えます。鳴りやまない拍手! そんなシーンを見て思ったことは、ここに松山(英樹=LEXUS)がいたらなァ、でした。

名手2人の突き抜けたゴルフを見せつけられ、日本勢はもう少し、何とかならないものだろうか、と思わされ、世界との差がどんどん開いていってしまうような気もします。

大会を中継したテレビの解説を務めたリオ五輪日本代表ヘッドコーチの丸山茂樹プロは、スポニチ本紙のコラム「メジャー基準」に〈(略)8番パー3のような、あごの高いポットバンカーや脱出不可能な深いラフは日本のゴルフ場ではなかなか経験できない。(略)日本にももっとタフなコースが必要ではないかとあらためて考えさせられた〉と記述しています。

日本の選手は、セッティングの甘い日本のコースでお山の大将にならず、常に困難に立ち向かう気概を持っていてほしいものです。

ステンソンとミケルソンの“ゾーン”に入った戦いには、やはり“それ”がありました。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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