この成果を4年後にどう生かす?

リオ五輪で日本勢が躍進する中、前半戦でもっとも目を引いたのは、やはり、柔道のメダル・ラッシュだったでしょうか。

男子が、現行の7階級制になった1988年ソウル大会以降、史上初となる全階級でのメダルを獲得(金2、銀1、銅4)を達成しました。

前回2012年ロンドン大会で「金なし」に終わっった屈辱を晴らした形になりましたね。

女子も、全7階級中、5階級でメダルを獲得(金1、銅4)しており、柔道だけで合計12個のメダル獲得となりました。

冒頭で〈目を引いたのは・・・〉としたのは、日本には柔道を“お家芸”とするプライドがあり、組んで投げて1本! の美学にこだわる一方、世界の流れは、技をかけられても返して勝利に持ち込む「JUDO」へと進み、その認識の違いが、ロンドンからリオへ、どう改善されただろうか、が頭の中にあったからです。

そうした過程には、欧州勢の「JUDO」にしばしば見られた、タックルなど直接、足を取りにいくことや組まずに抱きつく行為が禁止されるルールの改正もあり、それらが、組んで投げる日本の柔道に追い風になっているのだろうか、ということも気になっていました。

終わってみれば、男子全7階級ですべてメダル獲得の快進撃となりましたが、そんな中で私は、100キロ級で銅メダルを獲得した羽賀龍之介(25=旭化成)の“悔し泣き”に、柔道日本代表陣に課せられた重い役割を感じさせられ、4年後の東京に向けて、ますます厳しいものになるだろうそれが、どう影響を及ぼすだろうか、と考えてしまいました。

「金」を課せられる日本柔道陣の宿命

日本柔道勢にとって、100キロ級は鬼門のようなものとなりつつあります。

7階級制が確立した1988年ソウル大会以降、前回2012年ロンドン大会まで7大会中、メダル獲得は、2000年シドニー大会の井上康生(現・監督)=金メダル=のみという難関です。2014年世界選手権では、代表見送りという出来事さえも起きています。

だから・・・羽賀には、もう何か何でも金! の気持ちしかなかった、といいます。

が、準々決勝で敗れ、傷心にムチ打って敗者復活戦に勝ち、プロシェンコ(ウクライナ)と対戦した3位決定戦では、大内刈りで倒してからの三角締めで一本勝利。が、胸中は「金メダルだけを目指していた分、受け入れられない」と悔しさいっぱいの銅メダルとなりました。

金メダルをもたらした73キロ級の大野将平(旭化成)が「当たり前のことを当たり前にやることの難しさをつくづく感じた」と話しましたが、今回の実績を踏まえて4年後、2020年東京大会には、それこそ〈全階級で金!〉が、当たり前のように代表選手たちに課せられることになるかもしれません。

それが日本の柔道陣に課せられた宿命かもしれませんが、他方、日本勢が必死になればなるほど、100キロ超級決勝で組まずに逃げ回って原沢久喜(日本中央競馬会)を悔しがらせ、大ブーイングを浴びても勝ちは勝ちだろ、と不敵な笑みを浮かべたテディ・リネール(フランス)のような選手が増えるような気もします。

屈辱のロンドン。復活のリオ。そして東京は、果たしてどうなることでしょうか。

4年間は、長くて短い道のり、アッという間ですね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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