伊調にふさわしい国民栄誉賞

リオ五輪のレスリング女子(58キロ級)で五輪4連覇の偉業を成し遂げた伊調馨(32=ALSOK)に〈国民栄誉賞〉の授与が検討されていることが明らかになった、と8月26日付新聞各紙で報じられました。

〈国民栄誉賞〉日本の内閣総理大臣表彰の一つ。1977年(昭52)の福田赳夫首相在任時に創設された。既に設置されていた「学術および文化の振興に貢献したもの」に授与される内閣総理大臣顕彰にスポーツ・芸能などのジャンルを加えて新たに発足。同年9月に本塁打世界記録を達成したプロ野球・巨人(当時)の王貞治氏が受賞者第1号となっている。

国民栄誉賞はこれまで、王貞治氏を第1号に、22個人、1団体、に授与されています。1団体は、2011年7月にサッカー女子のW杯ドイツ大会を制した日本代表「なでしこジャパン」ですが、このときの授賞理由は、折から発生した東日本大震災による日本国民の苦難を背景に「最後まであきらめないひたむきな姿勢によって国民に感動と困難に立ち向かう勇気を与えた」とされ、皆がなでしこジャパンの健闘に拍手を送り、涙したものでした。

伊調が今回、正式に受賞することになれば、2013年5月5日受賞のプロ野球・長嶋茂雄氏&松井秀喜氏(同時受賞)以来のこと。女子レスリングでは2012年11月7日受賞の吉田沙保里以来、2人目となります。

伊調への国民栄誉賞授与は、まったく違和感がありませんね。文句なしに素晴らしいことだと思います。

4年後を目指す後進の励みに!

2004年アテネ五輪でレスリング女子が正式種目に採用されてから、08年北京、12年ロンドンを経て今夏のリオ五輪まで、個人種目での4連覇は、女子では史上初の偉業です。男子でも、陸上のカール・ルイス、競泳のマイケル・フェルプスら超一線級が成し遂げているにすぎません。

五輪の4連覇がどれだけ難しいことかは、吉田が決勝で敗れ、成し遂げられなかったことでも明らかですね。

吉田は、勝利の原動力である高速タックルを徹底的に研究され、思ったように生かせなかったことが敗因となりました。頂点に立つものは、世界中の刺客から“打倒!”の対象にされ、研究され尽くされるのが、この世界の常であり、刺客が練りに練った戦術の上を行く苦労は並み大抵のことではないでしょう。

04年の大会直後から、12年間もトップの座を維持する苦労など、ちょっと想像もつきません。

これまで日本の女子レスリング界を引っ張る両輪として、吉田とともに勝利の足並みをそろえながら、吉田は12年ロンドン五輪後に一足先に国民栄誉賞を受賞しました。

五輪3連覇と五輪を含む世界13大会連続世界一が評価されたものでしたが、吉田も伊調も記録面では対等ながら、どうしても記録面を超えた存在感の大きさで伊調は、吉田の陰に隠されがちでもありました。

4年後の2020年東京五輪を見据え、吉田も伊調も、どういう今後を選択するかは、現段階で決まっていません。

が、確実に吉田&伊調を目標に、追いつけ、追い越せ、を目指す若手は育っているわけで、そうした意味でも、2人の国民栄誉賞受賞は、後に続く者たちに大きな励みになるでしょうね。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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