“KOダイナマイト”の穴は埋まったか?

「敗戦-王座陥落」は残念でした。・・・が、持ち前の“根性ボクシング”で会場を沸かせたのでは? との印象を受けました。

プロボクシングWBA世界スーパーフライ級王者・河野公平(35=ワタナベ)の4度目の防衛戦です。

8月31日午後、試合が行われる東京・大田区総合体育館に足を運びました。京浜急行線「梅屋敷」下車。駅近くのファミレスで記者仲間と遅い昼食で腹ごしらえをして会場に向かいます。

この会場でのワタナベ・ジム(渡辺均会長=東京・品川区東五反田)の興行は毎回、WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者・内山高志(36=ワタナベ)の人気でにぎわっていましたが、内山の肩書きも、残念ながらな“前王者”となってしまい、会場周辺にどこか元気のなさが漂っていたのが気にかかりました。

河野も、ダブル世界戦の一角、WBA世界ライトフライ級王者・田中良一(29=ワタナベ)も、内山不在の穴を埋められるか、という重い役割を背負っています。リングサイドの記者席で私は、一つのテーマとして2人の王者にその自覚を求めていました。

先陣を切った河野の敗戦。判定の内容は、一人のジャッジが113-115、2人のジャッジか112-116、で河野の完敗となりました。中盤までの劣勢から、河野の終盤にかけての反撃がすさまじく、観(み)る側は強打の暫定王者(同級1位)ルイス・コンセプシオン(30=パナマ)相手に「よく頑張った!」と拍手を送ったかと思いますが、スポニチ本紙の世界戦評論でおなじみの元世界王者・浜田剛史氏の見方は違っていました。

〈実力は紙一重の展開でした。勝てた試合。もったいなかったですね〉

陣営の作戦ミスは、序盤3ラウンドの戦い方にあった、と浜田氏は言いました。

強打を振り回して出てくるだろう相手の戦い方に付き合わず、打ち疲れを待って後半勝負! が河野陣営の作戦だったでしょう。これは別に間違ってはいません。

明暗を分けた2人の世界王者

ただ、対応の仕方を誤ったのは、下がるだけで何もせず、守るだけになってしまったことでした。警戒しながらも、スキをついて手を出していることが必要だったのです。

〈相手が打ってこないから、コンセプシオンは“いい流れ”をつくってしまいましたね〉

河野は4回に反撃に移りますが、続かずに5回、また相手のペースに持ち込まれ、流れを取り戻せません。浜田氏は「ここが痛かった」と言いました。

前半を終え、さあ、ここから、という勝負をスタートさせたとき、河野には〈打たれた疲れ〉があり、コンセプシオンには〈打ち疲れがない〉状態でした。

終盤、激しい打ち合いが展開されても「その差が勝負を分けていました」と浜田氏は言いました。勝負にはちゃんと根拠があるのですね。

ウ~ン、深い! というか、ボクシングの戦いというのは、怖いですね。序盤3ラウンドで奪われた流れをどうしても取り戻せず、結果、王座陥落に追い込まれてしまうのですから・・・。

河野の敗戦の後、田口は宮崎亮(28=井岡)相手の日本人対決に大差判定で完勝しました。嫌なムードの中、田口はまず、勝たなければならなかったと思いますが、やはり、ここは〈内山ならどういう勝ち方をしただろうか〉という意識が必要だったかもしれません。

浜田氏の言葉をつけ加えるなら、ミニマム級から上がってきた宮崎とは、体格面を含めて大きな差があった、ここはお客さんが何を求めているか、やはり、それに応えなくてはいけませんね、それが出来る状態にあったのですから、ということでした。

田口は、重圧がかかったこの試合の勝利に満足そうでしたが、内山なら試合後、倒せなかったことをまず、ファンに謝罪するに違いないですね。

その域に到達するのは、果たして・・・といったところでした。
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プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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