ミドル級“頂上決戦”-ともに勝利を主張!

「ドロー」の結果が告げられたとき、ン? アレレッ? という感じは、否めないものがありました。

9月16日(日本時間同17日)に米ネバダ州ラスベガスの「T-モバイル・アリーナ」で行われたプロボクシグ3団体統一世界ミドル級王者ゲンナジー“GGG”ゴロフキン(35=カザフスタン)vs元2階級制覇王者サウル“カネロ”アルバレス(27=メキシコ)の3団体統一世界ミドル級タイトルマッチの結末です。
(試合は9月17日午前10時からWOWOWが生中継)

熱戦が終わり採点が読み上げられます。

まず、118-110の8点差でアルバレスの名が読み上げられたとき、エッ! となりました。私の採点は、116-112でゴロフキンの勝利-。

一般的に、このところ何かと問題が多い採点は、そのときのジャッジ構成の個々の見方によって起きます。例えば手数対一発有効打の場合、ジャッジ一人一人がどちらを支持するかによって完全に割れます。軽いジャブでもポイントされるようになった最近、これによって採点が分かれるケースが結構、多くなっています。

続けましょう。次に読み上げられた採点は、115-113でゴロフキン。妥当ですが、完全に見方が割れています。・・・で、3人目は、何と114-114のドロー。

ちょっと待ってくれよ。それはないだろ。試合を観(み)ていたファンの方々は、多くがそう思ったのではないでしょうか。注目を集めたミドル級の“頂上決戦”は、3者3様の採点で引き分け、となりました。37戦全勝だったゴロフキンは、38戦目に全勝が途絶えて19度目の統一王座防衛、となったものの、会場を埋めた2万人を超える大観衆も日本でテレビ観戦のファンも、どうにもスッキリしない結末になってしまいましたね。

決定打を欠いた“GGG”の攻撃

展開を振り返ってみましょう。

お互いに様子見を兼ねたジャブの差し合いで試合は始まりました。そんな中、目立つのが、いつものことですが、ゴロフキンのプレスです。前進、また前進で追い詰め、アルバレスは足を使い、下がりながらの対応。序盤はそれが続きます。

ゴロフキンの手数に対してアルバレスの左ボディー、右のアッパーが効果的、滑り出しは互角の打ち合いといったことろでした。

しかし、前進の姿勢を崩さず、しつこく攻めるゴロフキンにアルバレスは5回以降、ロープを背にして受け身となる形が多くなります。後退を余儀なくされるアルバレスとしては、受け身からのカウンターも作戦だったかもしれませんが、見栄(ば)えはやはり、攻めているほう。中盤戦のゴロフキン有利は、どういう角度から見ても、優勢は優勢でした。

終盤は、ともに疲労が蓄積する中、ゴロフキンの手数とアルバレスの一撃の激しい打ち合いが繰り広げられます。公式採点を見ると、10回からの大詰めの3ラウンドは、ジャッジ3人ともアルバレスのポイントとなっていました。

とすると・・・ドローとなった原因は、中盤の攻防に対するジャッジの見方の差、だったようです。

まあ、しかし、誰もがKO決着を予想した、あるいは、そうであってほしい、と願ったこの頂上決戦が、フルラウンドまで持ち込まれ、あげくドローとなったことは、実力伯仲という見方もできる一方、特にゴロキンに言えることですが、あれだけ攻め込みながら、決定打を打ち込むことが出来なかった、という実情が見えてきます。

それは、アルバレスのディフェンスがよかったから、ということも、もちろん指摘できますが、無敵を誇ったゴロフキンの強さの象徴だったその攻撃力に陰りが出始めた、ということもまた、言えるのではないでしょうか。

面白いものですね。攻防の中にさまざまなことが見えたりしてくるのは、やはり、この試合が“頂上決戦”だったことの証です。

結果を受けて2人は、リマッチの方向に進むのでしょうね。

いや、進まざるを得ないでしょう。この2人に限り、完全決着は必要のようです。
プロフィール

佐藤 彰雄

Author:佐藤 彰雄
◆生年月日 
1944年(昭19)8月生まれ
◆出身 
神奈川県
◆プロフィール
スポーツニッポン新聞社在職中は運動部記者として大相撲、野球、ゴルフ、ボクシング、格闘技などを幅広く取材・執筆。
現在はフリーの立場でボクシングを中心に取材活動を続けている。
ゴルフのマスターズなど海外取材経験も豊富。

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